三脚について

 今日は,秋葉原ヨドバシカメラで三脚を買った。Fotoproというメーカーのもので小さくて軽量で水準器まで付いている,というのがとても惹かれた。何より安かった。

 三脚,というのはカメラの界隈の中ではレンズほどではないが,買いだしたらキリがない代物だ。三脚は足の部分だけでなく,カメラと接続する部分が別売りされている位だ。大真面目に買いだそうと思えば5万は余裕でかかる。そんな中2千円ちょっとのものを買ったのだが,私にはこれがちょうどよいのだ。何百枚も何千枚もその三脚で撮り続けるとは思えないし,数万円も支払ってまで使い倒すとも思えない。

 価値は値段で決まるのではなく,利用者の用途によって変わるわけだ。有名な写真家,尊敬する写真家,定期購読しているブロガー,ユーチューバーが利用している三脚が価値の高いものだったとしても,価値が高いのはその人達のその人達なりの用途に適した性能を発揮できているからだ。

 教育も実は一緒で,ある人の実践が非常に優れていたとしても,誰が実践しても非常に優れた実践になるとは言いがたい。その人のリズムや雰囲気,能力があるからこそ優れた実践になっているだけ,という可能性も否定出来ないわけだ。

 真似をする,ということは悪いことではなくむしろ推奨されていくべきだ。ただ,参考とする人の真似をするだけでは,十二分に自分や製品の個性や能力を生かし切ることが出来るわけではない。浮足立たず,冷静に自分にとっての使い方を考え,地に足の着いた練習を重ねていくべきだ。三脚の足のように。