堀正岳【「リスト」の魔法】角川書店
私たちは優れた生物で頭で考えて様々な行動をしたり、深く考えることができる。
ただ、それは暗闇の中で生活しているようなもので、考えるためにも思考の過程を外に出した方が考えやすいことがある。
「リスト」の魔法、はそういった思考に過程を外に出す手段として、書き出すことを推奨しており、その形式としてリストを取り上げてる。
本の目次なんかもリストの一つで、それを見ることで一度読んだ本の内容を思い出すのに役立つことがある。実際、私も読書するときは最初に目次をざっと眺めて全体を俯瞰してから読み出す。途中から再開する時もそう。一度どのあたりから読み始めるのかを目次をみてイメージしてから読んでいる。
また紙ではやらないのだが、Kindleで本を読むときは、iPadでGoodNoteを立ち上げ、最初に本の表紙と目次をスクショしてノートに貼り付けている。Kindleのハイライトは便利なのだが、本の内容を思い出すのにはあまりに部分的すぎて困る。
リストにすることの効果として「スッキリ」と「ハッキリ」の2点を著者は挙げている。リストに書き出すことで、気になっていたことが吐き出され、なるほどこれが必要なのだな、とスッキリする。そして、次にやるべきことや足りないものなどがハッキリし、考えることを補助してくれる。
著者は前著ライフハック大全を代表するように、知的な生活を過ごせるよう様々な工夫を行なっており、バレットジャーナル、GTD、モレスキンなどその界隈では有名なものに精通している。モレスキンを愛用してメモしているそうなので、普段からリスト化していることが容易に想像できる。
著者はとにかく何でもリスト化することを推奨している。
自分の好きなもの、やるべきこと、手順など多岐にわたる。特に「好きなもの」のような自分の価値観に対するリストは自己理解を支える材料となるので、自分のやりたい生き方を知る材料としても役立てることができる。
こうしてみると、昔読んだ就活本でいうところの自己分析は浅い部分までしか分析していなかったのだな、と思う。就活本の自己分析はあくまで就職活動を円滑に進めるためのものなので、それが悪いのではなく、就職活動に最適化した形なのだと信じたいが。。。
書くことは、自分の思考を広げて深めてくれる。実際、この記事を書くためにノートを見ながら書いている。
ノートには当然、いくつか読書内容に関するリストがあるが、これを広げていくにはどうしたらよいだろうと考えてる。今は読書ノートになっているのだが、ブログ原稿を書くようなノートにしても良いのかもしれない。
そのときは、著者が本を執筆する際にもリスト化しているそうなので、リスト化することが良いのかもしれない。