また一つ現場が大変になってきた。(道徳 “検定教科書導入し記述式で評価を” )
どんなニュースなの?
小中学校で行われている道徳を「特別の教科」とすることについて、中教審=中央教育審議会は、検定教科書を導入し、数値ではなく記述式で評価するという意見をまとめました。
上記引用文によると,二つの進展があったみたいです。
- 教科書は検定教科書
- 道徳の評価方法を数値評価ではなく記述式にしよう
検定教科書って?
簡単に言うと「文部科学省が「教科書として使っていいよ」ってお墨付きをもらえた本」です。
中学校までの教科書は全部文部科学省からの許可を得て発行している教科書,ということになります。
文部科学省がチェックをしているので,例えば「学習指導要領」って教科ごとに教える内容をまとめたものがあるのですが,その内容に適しているのか,表現は適切かなども確認済みです。ただ,その教科書をどこのを使おうかってことについて問題もあります。竹富町の問題とかね。
竹富町教委 中学公民教科書に東京書籍を単独採択 - MSN産経ニュース
記述式ってどうなるの?
文部科学省の資料(下記参照)によるとこんなふうに書いてあります。
[これまでの主な指摘事項]
(中略)
○ 指導要録の中に、例えば、児童生徒の学習の様子を記録し、その意欲や可能性をより引き出したり、励まし勇気付けたりするような記述式の欄を設けることや、指導要録の「行動の記録」の欄をより効果的に活用する方策など、道徳教育の目標や内容を踏まえながら、その特性を生かした多様な評価の方法について検討すべき。
[改善に向けての主な論点(案)]
(中略)
(4)児童生徒指導要録への記録について
○ 指導要録(参考様式)に「特別の教科 道徳」(仮称)の欄を設けることや現在の「行動の記録」の評価項目及びその趣旨などについて、具体的にどのような改善が考えられるか。
昔,もらっていた通知表には係活動とか部活動,委員会なんかについて「こんなことを頑張っていたね」っていう旨の先生の文章が書かれているところがありませんでしたか?
現状,それは「総合的な学習の時間」「外国語活動」は評価方法が数値ではなく記述式の評価になっています。学校によって異なりますが,大体通知表を見開いた左側は数値評価,右側は記述評価になっているかと思います。
これを「教科ごと」に「担任学級の全児童生徒」に対して「内容が偏ったりしないよう」に書かねばならないのです。
それって大変じゃないの?
かなり大変です。
学校によっても異なるでしょうが,大体1ヶ月程度かけて作成します。また,記述式の文章の内容は学級担任が作成するのですが,それは教務主任や教頭,校長などの先生方がチェックし何度も校正を重ね子どもたちの手に渡ります。
それだけの価値と重要性もありますが,その記述量が増える,ということは現場にとってさらなる負担となることは間違いないでしょう。
どう思う?
私は,仕方がない,と思います。しかし,同時にどうやって乗り越えていくべきか考えていかなければならないと思います。
検定教科書を使用することについては賛成できます。しかし,記述式で評価することは数値での評価が難しい以上仕方がないとわかっていても先生方にとっては辛い決断になります。
まだ,確定したわけではないのですが,現場で働く先生方の負担も考慮して議論を重ねて欲しいです。