貧しい家ほど公教育が必要なので教員増やしたいですしおすし(低所得の家庭多い小中校に教員2千人増 文科省が方針)
低所得の家庭多い小中校に教員2千人増 文科省が方針:朝日新聞デジタル
どういうニュースなの?
簡単にいうと「年収の低い家庭の多い公立小中学校に教員をたくさん配置するよ」っていう方針を文部科学省が決めたんだ。あくまで方針を決めただけだから,本当にそうなるかどうかはこれから次第だね。
なんで所得の低い家庭の多い公立小中学校なの?
親の所得が子どもの学力や学習意欲に影響を及ぼすことがわかってるんだ。
例えば,以下の研究だとこんなことを述べてるよ。
牧野文夫『所得格差と教育格差 : 「家計調査」を中心に』東京学芸大学紀要. 人文社会科学系. II, 59: 107-123,東京学芸大学紀要出版委員会,2008.
以上分析したように,現在では所得水準が高等教育
への進学あるいは学力にかなりの影響を与えている。
そうであれば高所得世帯の子供にはより多くの教育支
出がなされ,その結果として,より高い教育を受けら
れあるいは社会的に権威のある大学に進むことがで
き,さらには高収入あるいは社会的評価の高い職業を
選ぶことができる。そしてその子供にもそれが繰り返
されることになるであろう。所得と教育の格差が再生
産され社会階層の固定化が一層進むことが懸念され
る。(太字はサカナによるものです。)
他にも,こんな記事もあるよ。
家庭の所得が低いほど子どもの学力は低下する?文科省も調査に乗り出す“学力格差”の知られざる実態|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン
「教育環境の整った家庭の子は、親を見て『なぜ勉強をするのか』という大切さをわかっているから、前向きな気持ちで学習に取り組む。一方、そうでない家庭で育った子たちにありがちなのは、『無理して大学に行っても就職できない。就職してもすぐに首を切られる』といった悲観的な観測です」(斎藤氏)
どの子どもにも希望を与え、最低限の学力が身につく環境。それが公立学校に求められていることだ。しかし、斎藤氏や教育ジャーナリストの渡辺敦司氏は、「今の公立学校でこれを行なうのは難しい」と口を揃える。
こんな風に学術的にも教育に関する意見を見ても,低所得層の子どもっていうのは,取り巻く環境に恵まれていない,ということは言えるらしいんだ。
つまり,教育環境の整った家庭に比べて,勉強への意欲・学力に結びつきにくいんだ。
教員増やしてどうするの?
主に放課後の学習や少人数指導だね。こんなコラムもあるよ。
義務教育は科目別習熟度クラス教育を | 国内政治 - エコノミックニュース
裕福な家庭に生まれた子どもが小中学時代から塾や家庭教師つきで校外での教育をうける機会に恵まれる一方で、家計を助けるため家事手伝いなどに時間を割かなければならない子どもたちもいる。
おのずと学校での学習の習熟度に格差が生じる。その状況は状況として踏まえながら、教諭の側にも教えやすい環境づくりが必要だ。
高校や大学では一定の選考試験に合格した学生の集団になるので、各科目の習熟度において学校それぞれに最低ラインをクリアした学生が集まっている。少子化で学生確保のために、その基準も崩れつつあると危ぶむ声もある。